コラム

「大家業」を考える

最近は土地や住宅も価格競争の様相を呈し、まずは価格が勝負!となってきた。アパートやテナントの賃料も一時に比べ大分下がった。下げても埋まればよいが、下げてもなお入居がない物件も多い。今まで空室になった経験がなく、なかなか現状に適合できずに困窮されている大家さんが実際多い。今回は、これからの大家の「心得」について検討してみたい。

戦前戦後を通じ、約一世紀以上に渡り、我国の賃貸市場は貸手市場一辺倒で推移してきた。人口増加に対する住宅不足で需要増供給少が主な原因。理由は他にはなく実に単純明解。当然大家さんは貸してやる、借手は貸していただく、という力関係が生じる。さて、現在は?人口減少に住宅過剰である。大家さんは借りていただく、借手は借りてやる、とこうなる。家賃は売上金なので、お客様に買ってもらうにはどうするか?売値を下げるだけではなく、通常の商売の「心得」を会得することが、実は今後の大家業の必須条件となるのである。