コラム

渾然一体

日本人の美意識とは何だろう?はたして日本人に審美眼はあるのだろうか?解っていながらもあまりの節操のなさについつい言いたくなってしまう。例えば結婚式は文金高島田で挙げ、披露宴はウェディングドレスにケーキ。もてなしは中華料理(笑)、とまあバラエティに富む。年末にクリスマスでキリストの生誕を祝い、正月に門松をたて七福神がやってくる。それにしても不思議な国である。今回はその謎にふれてみる。

西洋の一元論に対し日本は多神教。この道一筋は明治以降の西洋化の影響で、元々は日本人は「粋」で「多彩」な才気を持っていた。つまり多様性の文化なので何でも受け入れる。他国の文化を受容し、自らの文化を強化する固有性と適応能力を合わせ持つのである。我々日本人は、万博会場と化した住宅街を許容し、静謐な茶室と猥雑な商店街を共に受け入れられる。それが実は日本人の美意識なのである。