不揃いの街
一般常識を疑ってみることは結構楽しい作業である。一旦常識化、普遍化されたものはそれを基本に、様々な事が組み立てられてゆく。まあ当然である。しかし、その基本のものを覆すと全く違う世界が展開してゆく。全ての常識を疑っていると切りも際限もないが、例えば歴史性の無い常識は疑ってみる価値は充分にある。
さて、最近は店頭に並ぶ野菜や果物は全て均一に揃い、肉や魚もパッケージされ同じく整然と並んでいる。異形な物は廃除されるので見た目はきれいだが変化がないので面白くない。この面白くない、という感覚が実は重要である。現在、住宅地は大半が区画整理が済み、道幅は広く正形地が並び街並みは整然としている。しかし、曲がりくねった道に変形地、裏に路地があったりする街並みは雑然として不揃いだが面白い。子供なら探検をしたくなる街である。今、敢えて不揃いな街を作ることは、おそらく意義のあることだろう。
