コラム

デザイン論 ー 住宅編

最近の住宅は新建材と「木」を組み合わせた粋な家が多くなった。
一昔前の全くの洋風や和風という棲み分けではなく、日本の街並みに良く合うアーバンデザインが主流で、独自のデザイン性を感じさせるものである。外装はサイディングとガルバニウムでコントラストをつけ、ウッドの外柱やデッキを合わせ、黒と茶あるいはブルーグレーにベージュなどのシックな色調で、内装に和のエッセンスを施し、実にモダンである。

ところで、日本経済は百年に一度の不況到来ということだが、一体経済とは常に成長を宿命づけられているのだろうか?欧米に追いつけ追い越せのキャッチアップは、プラザ合意のあった昭和六十年にすでに終焉し、今や世界が羨望する「メイドインジャパン」は日本食を筆頭に文化、芸術に及んでいる。潮流になりつつあるモダン住宅の身上はシンプルさ、にある。それは枯山水や数寄屋にも通じて、立脚点は同じく「和」である。