ここで一拍!
車のアクセルやブレーキに「遊び」が必要なように、人にも遊びやゆとりがないと対人関係もギクシャクする。一拍おく、あるいは間合いをとる、ということをせずに間断なく話を一方的に聞かされると、これは疲れる。又、言葉の洪水のような歌を金切り声をあげて歌われても、伝わってくるものはない。特に最近のテレビは、行き過ぎた「商業主義」の顕われといえるだろうが、いかんせん、とてもゆったりと見られる構成にはなっていない。
遊びやゆとり、そして間合いは住宅でいえば土間や廊下、広縁である。昔の家屋には備わっていた。訪ねるとなぜか悠揚とした気持になり、繁雑な日常から生じるモヤモヤしたものが、瞬間に霧消するのは実に不思議である。効率が重視された昨今、逆にムダをたくさん抱えると、それは多様性につながる。間やゆとりを意識することは肝要である。
