コラム

全てのものに神は宿る

住宅を建てる前に神主さんにお願いし土地のお祓いをする。それが「地鎮祭」である。そして住宅が完成すると入居前に「家移りの式」を行なう。こちらはやられる人は少ないが「地鎮祭」はほとんどの施主さん(住宅の注文主)はお願いする。私も仕事柄、数多く立ち合うので、神主さんの文句もすっかり覚えてしまった。(笑)ちなみに「地鎮祭」とは、地神を本尊として工事の無事を祈願する、という事と土地を祓っていやさかを祈願する、という事である。

日本人は全ての物に神仏が宿る、と考える。よく古木にしめ縄が付けられているが「よりしろ」と呼ばれ神聖な証とされる。つまりそれが山川草木悉皆成仏であり、日本人のプリンシプルなのである。自然を開拓して人間社会が築かれた訳だが、あくまで人間優位ではなく、自然界に宿る神仏を崇める真摯で篤実な国民性こそ、世界に誇るべき、日本人のスタティックなプライドである。