日本文化論
和食が世界中で注目されはじめ、世界無形文化遺産にも登録された。「食は文化」であるから、人々の関心は日本人の生活様式や考え方、生き方、そして日本文化に波及してゆく。例えば日本の伝統文化は、茶の湯、生け花、香道、書道、庭園、能、歌舞伎、浮世絵、祭り、などが思い浮かぶが「和食」も含め、全ての土台というかバックグラウンド、つまりハードに相当するものが「日本家屋」である。和室を備えた日本家屋の「和」の佇まいがあってこそ、日本の伝統文化は存在価値を持ち得る。
さて日本文化が、19世紀のヨーロッパで勃興した「ジャポニズム」のように憧憬されるためには、我々日本人が成すべきこととは何だろう?筆者は、日本家屋への着目、つまり和風住宅を見直すことに尽きる、と考える。西洋の模倣住宅が乱立する街並みは、和風住宅が増えることで本来の日本の街並みに修復されてゆく。日本人が日本文化に誇りを持つためには、日本家屋に立ち戻らない限りはじまらないのである。
