外国人観光客が増えている!
昨今の日本は外国人観光客が急増している。おそらく、静岡県でも富士山に次いで登録された韮山反射炉をはじめ、全国各地に世界遺産が増えたことにもよるだろう。これからの日本を考えると、観光業が栄えることは大きなけん引力になるはず。外国人観光客が増えれば、飲食、宿泊をはじめ多くの商売が活況を呈することになる。
さて、外国人を引きつける日本の魅力とは何だろう? 治安の良さや商品のクオリティーの高さもさることながら、日本人の人をもてなす術(すべ)が、巧緻流麗なところに魅せられるのではないだろうか。そこには、思いやりや気遣い、遠慮や謙虚が見え隠れする。それは、日本でこそ体験できる希少な味わいなのかもしれない。まさか日本人しか食さないと信じて疑わなかった寿司が、世界中に広がったことを考えると、日本人の思いやりや気遣いが世界に流布する可能性はないとはいえない。人の心の琴線にふれるものは万国共通である。
世界の観光大国といえばフランスである。年間8,000万人が世界中から訪れる。観光大国の条件は次の三つ。
- アクセスが良い
- 治安が良い
- 知名度がある
日本はすべて備えているが、数では年間800万人で、フランスとは一桁違う。それが、最近では1000万人に届かんとしている。
急増する外国人観光客を見込んで、不動産やビル会社などが参入し、ホテル市場が活況である。ただし、東京オリンピック後は地方の需要が鍵となるのは間違いないだろう。さて、これはイギリスの小話。「ある劇場経営者がもっと儲(もう)かるようにしたいと考えた時、お客を入れて入場料が取れるのは客席だけで、舞台からは1円の収入もない。そこで、舞台をつぶして全部を客席にしたところ、お客は一人も来なくなり倒産した」。日本の地域開発はこれと似た事が実に多い。地域の特長や魅力をつくる施設を削って、物販店や飲食店、ホテルが乱立する。まさに本末転倒なのである。
